赤レンガと石で造られた、たくさんのアーチが印象的な「芸術高架橋(Le Viaduc des Arts ヴィアデュック・デ・ザール)」。
ドメニル通り(Av Daumesnil)沿いに、高さが約10m、約1.5キロメートルにもおよびます。
この「芸術高架橋」は、高架上も高架下も、お散歩好きのわたしにはたまらないコースです。
そんな「芸術高架橋」についてご紹介します。
おしゃれな工房やブティックが並ぶアーチ型高架下
「芸術高架橋」を支えるアーチ型の高架下には、名前のとおり「芸術・工芸」の専門店や工房がずらり。
60以上もの店舗が並んでいます。
アーチのなかには、
アートギャラリー、ファッション、インテリア、アクセサリー、刺繍などの専門店、
そして、家具や楽器の修復など、さまざまな分野の職人やデザイナーの工房が。
延々と続くウィンドウの中を見て歩くだけでも、とても楽しいんです。
また、工房だけでなく、お散歩の途中にうれしいカフェやレストランなどの店舗も。
テラスで道ゆく人や景色を眺めながらのコーヒーは最高です。
Le Viaduc des Arts「ATELIERS(アトリエ)」ページ(フランス語)
緑豊かな庭園のような遊歩道の高架上
「芸術高架橋」の上は、パリの都会の喧騒からは想像できないような緑豊かな散歩みち。
まるで細長い庭園のようです。
ここは、「Coulée verte René-Dumont(クレ・ヴェルト・ルネ・デュモン)」と呼ばれる遊歩道。
(以前は「Promenade Plantée(プロムナード・プランテ)」と呼ばれていました)
遊歩道の途中から見渡すパリの街並みは、地上から見るものとは違って格別です。
街並みを眺めながら、ボ〜っとしたり。
遊歩道にあるベンチで空や景色を見ながらサンドイッチを食べたり。
途中、竹やぶも。なんだか日本を思い出します。
この「Coulée verte René-Dumont」は、「芸術高架橋」から「ヴァンセンヌの森」の手前まで続く長い長い遊歩道。
全長は、「芸術高架橋」の約1.5キロメートルを含む、なんと約4.5キロメートルもあるんです。
(途中、いくつかの庭園やトンネルを通ります)
まだ「芸術高架橋」の上しか歩いたことがなく、端まで行ったことがありません。
次回パリに行った際には、端まで歩いてみたいです。
遊歩道への入口
「芸術高架橋」の高架上から続く「Coulée verte René-Dumont」は、とても長い遊歩道なので、入り口が数カ所にあります。
ここでは、「芸術高架橋」からの入口をご紹介します。
「Coulée verte René-Dumont」入口マップ
入口は、門に掲げられた「Coulée verte René-Dumont」と書かれた緑のプレートが目印。
階段をあがると、
遊歩道「Coulée verte René-Dumont」に出られます。
途中から入ることも、降りることもできます。
なお、この遊歩道では、以下のものが禁止されているようです。
- 自転車
- スケートボードやローラースケート
かつて鉄道路線だった芸術高架橋
「芸術高架橋」は、いまではおしゃれなブティック街ですが、元は1859年に開通した鉄道路線。
パリ12区を横断する、バスティーユからヴァンセンヌを通る旅客鉄道路線でした。
でも、この路線は1969年に高速地下鉄の「RER A線」に取って代わられてしまい、廃線に。
そこで、パリ市がこの高架橋を買い取って、再生プロジェクトを開始。
「高架上を公共公園に、高架下のアーチの空間は職人の工房やギャラリーにし、芸術の空間として利用しよう」
と修復を行いました。
古いものを大事に使ったり、使わなくなったものを生まれ変わらせるフランス。
廃線になった高架橋が、今ではおしゃれな外観の工房やブティック街、そして緑豊かな散歩道に生まれ変わりました。
Bastille(バスティーユ)駅からの行き方
「Bastille(バスティーユ)」駅から「芸術高架橋」への行き方をご紹介します。
「Bastille(バスティーユ)」駅の、オペラ座「L’Opéra de la Bastille(オペラ・バスティーユ)」に出ます。
「オペラ・バスティーユ」の脇をとおる「リヨン通り(Rue de Lyon)」を、バスティーユ広場(Place de la Bastille)を背にし、まっすぐ進みます。
このとき、「オペラ・バスティーユ」に沿うように「リヨン通り」を進行方向の左側を歩きます。
しばらく進むと、「リヨン通り」から通りからふた又に分かれます。
そこを「ドメニル通り(Av Daumesnil)」に入ると同時に「芸術高架橋」に到着します。
「バスティーユ駅」以外にも、「リヨン(Gare de Lyon)駅」からも行くことができます。
「リヨン駅」からの行き方は、「パリのマルシェ「アリーグル市場」への行き方」の記事をご参照ください。
まとめ
かつては鉄道路線だった「芸術高架橋 ヴィアデュック・デ・ザール」。
パリ市のアイデアで、パリの人たちの憩いの場である遊歩道と、職人たちの活動の場に見事に生まれ変わらせました。
昔のものが現在も生きたかたちで触れられるのが、パリの魅力のうちのひとつだと実感させる場所です。
お散歩が好きだったり、アートやファッション、ものづくりに興味があればきっと楽しめます。
バスティーユ界隈や、アリーグル市場、ベルシー界隈など、近くを訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください。
基本情報
「Le Viaduc des Arts」
「Coulée verte René-Dumont」
- 公式サイト:www.leviaducdesarts.com(フランス語)
- 住所:1-129 avenue Daumesnil 75012 Paris
- 交通:
- メトロ:1号線・5号線・8号線「Bastille」駅、1号線・14号線「Gare de Lyon」駅
- RER:A線・D線「Gare de Lyon」駅
- 営業時間:
- 高架下:アトリエによります。「Le Viaduc des Arts」の公式サイトをご確認ください。
- 高架上(Coulée verte René-Dumont):
(5/1〜8/31) 月〜金 7:00〜21:30 / 土日 8:00〜21:30
(9/1〜30) 月〜金 8:00〜20:30 / 土日 9:00〜20:30
(10/1〜29) 月〜金 8:00〜19:30 / 土日 9:00〜19:30
(10/30〜2/28) 月〜金 8:00〜17:45 / 土日 9:00〜17:45
(3/1〜25) 月〜金 8:00〜19:00 / 土日 9:00〜19:00
(3/26〜4/30) 月〜金 8:00〜20:30 / 土日 9:00〜20:30
- トイレ:なし
- WIFI : あり
- 犬:リード着用