パリ 進化大陳列館(国立自然史博物館)【生物の進化がわかる博物館】

パリ5区の「パリ植物園(Jardin des Plantes de Paris)」のなかにある「進化大陳列館(Grande Galerie de l’Evolution)- 国立自然史博物館(Muséum National d’Histoire Naturelle)」。

「進化大陳列館(Grande Galerie de l'Evolution)」のアフリカのサバンナからやってきた動物たち(はく製)の隊列
アフリカのサバンナからやってきた動物たち(はく製)の隊列

ガイドブックのインパクトのある写真にひかれ訪れました。

でも、そのインパクトをはるかに超える展示館でした。

2023年末までAR(拡張現実)ツアーが体験できます。

実物大の絶滅した動物や絶滅危惧種の動物を間近で見られますよ!

(※通常料金+別途料金=13ユーロ)

子どもも大人も楽しめる展示

館内には子ども連れの家族がたくさん。

「進化大陳列館」で標本を真剣にみる子どもたちとその両親

この展示館では、数多くの動物や昆虫などの生物の標本が。

まるで生きているかのように展示しています。

「進化大陳列館」の動物たち(はく製)の隊列とクジラの骨格標本

しかも前から横から後ろから、動物の間近で見られます。

「進化大陳列館」の動物たち(はく製)の隊列のゾウと小ゾウ

そのため、子どもも大人も展示を真剣に楽しんでいるようでした。

「進化大陳列館」でイルカとアザラシの標本を真剣にみる親子

そして、展示の仕方も、色の使い方も、フランスはセンスがいいな〜と感動しきり。

「進化大陳列館」のサメの剥製

この標本をとおして、地球上の生物やその進化だけでなく、人間活動がもたらす生物環境への影響についても知ることができます。

「進化大陳列館」で標本を真剣にみる祖母と孫

興味深そうに標本を見ているちびっ子たちが本当に可愛かった!

大自然にいるみたいな演出

「進化大陳列館」の館内は、吹き抜けでガラス屋根の広い空間。

吹き抜けの周りの展示エリアはとてもシックな落ち着いた内装です。

「進化大陳列館」の館内の3階から階下を覗き込むキリンの剥製
3階(日本式:4階)から階下をのぞき込むキリン(はく製)

でも、照明は朝のようになったり、夜のようになったり。

はたまた、嵐や雷などの音が館内に鳴り響くことも。

「進化大陳列館」の夜の照明

「ゴォー・・・」
「ゴロゴロゴロ・・・」
「ザァー・・・」

照明もその音に合わせて変わり、まるで大自然の中にいるかのような気持ちになりました。

「進化大陳列館」の展示

館内の2階(日本式:3階)には、ひと息つけるカフェもあります。

「進化大陳列館」の2階(日本式:3階)にあるカフェ
館内の2階(日本式:3階)にあるカフェ

展示はフロアごとにテーマが設定

「進化大陳列館」の展示物は、フランス式の0階から3階の、4フロアに展示。

「進化大陳列館」の建築模型
「進化大陳列館」の建築模型

建築模型には、各フロアの展示内容が次のように書かれていました。

  • 0階 生物の多様性:海洋環境(La diversité du vivant:milieux marins)
  • 1階 生物の多様性:陸上環境(La diversité du vivant:milieux terrestres)
  • 2階 進化要因としての人間(Le homme facteur d’évolution)
  • 3階 生命の進化(L’évolution de la vie)

フランスの「0階」は、日本の「1階」にあたります

各フロアについて、わたしが見てきたものをご紹介します。

0階 周りで魚が泳いでいるみたい

0階(日本式:1階)は、海にいるさまざまな生物を、標本で見ることができます。

「進化大陳列館」の入口のゲートを抜けると、

デデーン!

視界に一度に入りきらないくらいの巨大なクジラの骨が。

「進化大陳列館」のクジラの骨格標本(頭部分)
巨大なクジラの骨格標本(頭部分)とそれを見上げるちびっこたち
「進化大陳列館」のクジラの骨格標本(胴体部分)
巨大なクジラの骨格標本(胴体部分)

このフロアは、光と音響で海の中にいるように演出されています。

「進化大陳列館」の海の生物の展示のマグロや鯖の群れ

触腕を広げたダイオウイカ、そして、イカに話しかけているようなイルカが。

「進化大陳列館」の海洋生物の展示のダイオウイカとイルカ

サメが今にも魚を食べてしまいそう。

「進化大陳列館」の海洋生物の展示のサメやまんぼう、カメなど

ヒトデやカニやら。

このほか、このフロアにはペンギンやホッキョクグマなど、

南極や北極の氷の上でくらす動物の標本もありました。

1階 サバンナの動物を間近で四方から見られる

1階(日本式:2階)は、陸にいるさまざまな生物を、標本で見ることができます。

目玉の展示は、ゾウを先頭にした100以上の動物たちの隊列。

「進化大陳列館」のゾウを先頭にした動物たち(はく製)の隊列

アフリカのサバンナからやってきた動物たちです。

捕食するものされるものが一緒に列をなすなんて、この動物たちが生きていたら見られない光景ですね。

「進化大陳列館」の動物たち(はく製)の隊列後方
隊列の後方
「進化大陳列館」のこのアフリカの隊列の、1億年前からの樹形図
このアフリカの動物の隊列の、1億年前からの樹形図

ライオンは外から隊列を眺めていました。

「進化大陳列館」のライオン

他にも、アメリカの熱帯雨林のなかにいる動物など、いろいろな気候に棲む動物たちが展示されていました。

「進化大陳列館」のアメリカ熱帯雨林の動物たち
アメリカ熱帯雨林の動物たち
「進化大陳列館」の北極や南極の動物たち
北極や南極の動物たち
「進化大陳列館」の生物の系図
真核生物図

2階 人間による環境や動物への影響に気づく

2階(日本式:3階)は、人間の活動が自然環境や生物の進化にどのように影響しているかを考えさせてくれる展示フロアです。

現在のフランスの4人家族が10日間に出すゴミの量の例(正面)

これは、現在のフランスの4人家族が10日間に出すゴミの量の例です。

現在のフランスの4人家族が10日間に出すゴミの量の例(正面と側面)

製品になる動物例も展示されていました。

製品化される動物たちの展示(ラクダ科の動物、クロコダイル科のワニ)
製品化される動物たちの展示(ヒツジ)
製品化される動物たちの展示(羊毛)
ヒツジの種類別に展示されている羊毛

絶滅危惧種の展示もありました。

絶滅危惧種のエリア

見るひとが考えることに専念できるよう、あえて暗くしているようです。

「進化大陳列館」のサイの展示
ヨーロッパ全土で角が乱獲されているサイ

そのほか、狩猟や家畜化された動物などの展示もありました。

人間として、考えさせられる展示ばかりでした。

3階 教材のような展示、そして見晴らしがいい!

3階(日本式:4階)は、生命の進化とその主なメカニズムについて。

視覚的にわかるよう、教材のように展示されているフロアです。

さまざまな昆虫標本
さまざまな昆虫標本
霊長類の群れ
霊長類の群れ

ムッシューが真剣に見ているのは、最古の化石です。

最古の化石を見つめるムッシュー

3階からはとても見晴らしがよく、いつの間にか展示物よりも館内の景色ばかりを見ていました。。。

3階(日本式:4階)から見た、1階(日本式:2階)の動物の隊列
3階(日本式:4階)から見た、1階(日本式:2階)の動物の隊列
飛んでいるようなワシのはく製
飛んでいるようなワシのはく製

「パリ植物園」のなかにある「進化大陳列館」

「国立自然史博物館(Muséum national d’histoire naturelle)」の一部となる「進化大陳列館」は、「パリ植物園」のなかにあります。

「パリ植物園」は、メトロ、バス、RER、鉄道、バトビュス(水上バス)で行ける、とても便利な場所。

「進化大陳列館」の場所は「パリ植物園」の端に。

一番近い入口は、「パリ植物園」正面入口とは反対側にあります。

「進化大陳列館」のある「パリ植物園(Jardin des Plantes)」正面入口
「パリ植物園(Jardin des Plantes)」正面入口

でも今回は、今まで「パリ植物園」に来たことがなかったので、正面入口から入ることにしました。

正面入口を入ると、はるか彼方に見える建物が「進化大陳列館」です。

「パリ植物園(Jardin des Plantes)」の奥にある「進化大陳列館」
「パリ植物園」のはるか彼方に見える「進化大陳列館」

この庭園は、春はお花が咲き乱れているようです。

わたしが訪れたときは冬だったため、哀愁が漂っております。

寒々しい〜
今度は春に来てみたいな

「パリ植物園」の正面入口からひたすら歩き、「進化大陳列館」の正面入口に到着。

「進化大陳列館」の正面入口
写真左奥の、人がたくさんいる(バスが通っている)場所が「進化大陳列館」に一番近い「パリ植物園」の入口です。

「進化大陳列館」に一番近い入口は、モスクの「グランド・モスケ・ド・パリ (Grande Mosquée de Paris)」の向かいの入口です。

バス停「Buffon – La Mosquée」もすぐ近くにあります。

「グランド・モスケ・ド・パリ (Grande Mosquée de Paris)」と「進化大陳列館」脇のバス停
グランド・モスケ・ド・パリ(写真左)と「進化大陳列館」脇のバス停「Buffon – La Mosquée」

「進化大陳列館」の建物に入ると、正面に入口ゲートがあります。

「進化大陳列館」の建物に入った正面にある入口のゲート
「進化大陳列館」の建物に入った正面にある入口のゲート

基本情報

進化大陳列館(Grande Galerie de l’Evolution)- 国立自然史博物館(Muséum National d’Histoire Naturelle)

  • 公式サイト:https://www.jardindesplantesdeparis.fr/fr/programme/galeries-jardins-zoo-bibliotheques/grande-galerie-levolution-2763(フランス語)
  • 住所:36 rue Geoffroy Saint Hilaire 75005 Paris
  • 交通:
  • 料金:オンラインチケット購入:公式サイト(フランス語)(2023年9月現在)
    • 通常(GRANDE GALERIE DE L’EVOLUTION):10ユーロ
    • 通常+絶滅種を発見するバーチャル体験(REVIVRE+ G. G. DE L’EVOLUTION):13ユーロ(8歳から・水・土・日、学校休業日)
    • 通常+こどもギャラリー(GALERIE DES ENFANTS + G.G. DE L’EVOLUTION):13ユーロ(6歳から・水・土・日、学校休業日)
    • 通常+没入体験(槍をつくってマンモス狩りなど(CABINET DE RÉALITÉ VIRTUELLE + G.G. DE L’EVOLUTION):13ユーロ(12歳から・水・土・日、学校休業日)
  • ミュージアムパス(PARIS MUSEUM PASS):不可
  • 営業時間:月・水〜日(火曜日以外) 10:00〜18:00(最終入場は17:15)
  • 休業日:火曜日、1/1、5/1、12/25

パリ植物園(Jardin des Plantes)

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