アトリエ・デ・リュミエール(Atelier des Lumières:光のアトリエ)は、パリ11区にある、2018年にできたパリで初めての没入型デジタルアートの美術館。
美術史に残るような芸術家たちの作品を扱った、光と音のデジタルアートを鑑賞できます。

没入型デジタルアート(作品世界の中にいるみたい)
チケットを提示して館内に入ると、ブックストアや、デジタル掲示板などがあり、その奥にアートホールの入り口があります。

奥まで進み、アートホールの扉を開けると、高さ10メートル以上ものアートが目の前に!
まるで自分が小びとになってそのアートの世界に入り込んだかのよう。

そのうえ、作品に合わせた音楽の迫力も伴い、その異次元の世界にどっぷり浸かってしまいます。
歳を重ねていろいろなことに感動しなくなっていたのに、久しぶりに感動しました。

アトリエ・デ・リュミエールは、かつて鋳造で栄えた廃工場だったというスペースをアートホールに。
この広々としたアートホールのあらゆる壁や床(天井は除く)すべてがキャンバスで、そこにプロジェクションマッピングのようにデジタルアートを映し出しているのです。

ホールに映し出されたアートと音楽すべてがひとつの作品になっています。
ホールのどこからでも鑑賞OK(自由に動きまわれます)
鑑賞中はアートホールの中を自由気ままに歩いたり、床やイスに座ったり、壁にもたれたり、好きなところで見られます。

また、作品はずっと上映され続けているので、数分の休憩時間はあるものの、一度入場したら好きなだけいられるんです。

わたしは隅から隅まで歩きまわり、好きなところから写真を撮ったり(フラッシュは禁止です)、階段を上がったスペースのベンチから見下ろすように見たり、気ままに鑑賞しました。
下からみた迫力と上からみた迫力はそれぞれまったく異なりますが、どこから見ても迫力満点です。

ひととおり見終わったとき、そこから全然離れられず、2クール鑑賞してしまいました。
展示内容は1年ごとに変わります
アトリエ・デ・リュミエールの展示は、ロングプログラム、ショートプログラム、コンテンポラリークリエーション、夜間のプログラムがあり、毎年新たな展示に更新されていきます。
お出かけの前にウェブサイトでチェックしてくださいね。
LES ÉVÉNEMENTS(展示情報)(「アトリエ・デ・リュミエール公式サイト」:フランス語)

わたしが初めて「アトリエ・デ・リュミエール」を訪れたのは2019年の夏。
そのときに鑑賞した作品は、次の3作品です。
- 『Van Gogh La nuit étoilée』(ファン・ゴッホ 星降る夜)
- 『Japon rêvé images du monde flottant』(夢見た日本 浮世絵)
- 『Verse』(宇宙の永遠の詩)
上のリンクからは、「アトリエ・デ・リュミエール公式サイト」(フランス語)で映像の一部を見ることができるので、ぜひ見てみてくださいね。

鑑賞した作品のうち、特に浮世絵(ゴッホが夢見た日本)を主題に制作された作品は、過去の日本の風景や幻想的な風景の映像と、坂本龍一の曲やドビュッシーの曲などで構成されたもの。
浮世絵の中のふすまや障子が開いてその中の人物が動いていたり、海の中のクジラや魚たちが激しい海流の中を泳いでいたり、歌舞伎役者の映像とともに「いよ〜〜〜ぉ!」という掛け声があったり。
浮世絵の中にいるような気分や、幻想的な夢の中にいるような気持ちにもなりました。
すべてが何度見ても見たりないくらい素晴らしかったです。



また見たい。。。
以下のリンクからは、過去の展示情報が見られます。
LES EXPOSITIONS PASSÉES(過去の展示情報)(「アトリエ・デ・リュミエール公式サイト」:フランス語)
詳細情報
「アトリエ・デ・リュミエール」の基本情報や、チケット別の料金など、詳細情報をご紹介します。
※2022年6月現在の情報です。変更になる場合がありますので、お出かけの際に公式サイトで確認しておくと安心です。
基本情報
- 公式サイト:https://www.atelier-lumieres.com(フランス語)
- 住所:38 rue Saint Maur 75011 Paris
- 電話:01 80 98 46 00
- 交通:
- メトロ:3号線「Rue Saint Maur」駅、9号線「Voltaire」駅・「Saint Ambroise」駅、2号線「Père Lachaise」駅
- バス:46番、56番、61番、69番
- 営業時間:月〜木 10:00-18:00、金〜土 10:00-22:00、日 10:00-19:00
※夏時間(2022年7月8日〜8月28日):月〜土 10:00-18:00、日 10:00-19:00
※夜間のプログラムは時間が異なります。以下の「料金(Tarifs)」をご覧ください。 - パリ・ミュージアム・パス(PARIS MUSEUM PASS):使用不可
料金(Tarifs)
料金は、プログラムや時間指定、オープンパス、夜間などにより異なります。
時間指定チケット(Billet avec créneau de visite)
「ロングプログラム」「ショートプログラム」「コンテンポラリークリエーション」の3作品を、日時を指定して鑑賞できます。
- 一般 :[平日]16ユーロ [土日祝]17ユーロ
- シニア(65歳以上) :[平日]15ユーロ [土日祝]16ユーロ
- 学生・求職者・障害者カードの所持者・教育パスの所持者 :[平日]13ユーロ [土日祝]14ユーロ
- 若者(5〜25歳) :[平日]11ユーロ [土日祝]12ユーロ
- 家族料金(大人2名 + 5歳から25歳までの若者2名) :[平日]48ユーロ [土日祝]49ユーロ
- 5歳未満 :無料(2歳未満のお子様の入場はおすすめしないそうです)
オープンデイチケット(Billet open journée)
「ロングプログラム」「ショートプログラム」「コンテンポラリークリエーション」の3作品を、時間帯を選択せずに指定日の開館時間帯にいつでも鑑賞できます。(ただし、一度退場したら再入場できません)
- [平日]35ユーロ [土日祝]35ユーロ
夜間プログラム時間指定チケット(Billet avec créneau de visite)
「夜間プログラム」の作品を、「月~土 16:30~20:00」の間で日時を指定して鑑賞できます。
- 一般 :14ユーロ
- 学生・求職者・障害者カードの所持者・教育パスの所持者:12ユーロ
- 若者(5〜25歳):12ユーロ
- 5歳未満 :無料
オープン夜間チケット(Billet open nocturne)
「夜間プログラム」の作品を、「月~土 16:30~20:00」の間で、指定日のいつでも鑑賞できます。(ただし、一度退場したら再入場できません)
- 30ユーロ
公式サイト「来場者情報ページ(日・仏・英)」
最新の情報は、お出かけの際に「公式サイト」でご確認していただいた方が安心です。
日本語ページとフランス語ページ、英語ページのリンクをご紹介しますが、ページにより多少情報が少し異なります。
- 日本語:https://www.atelier-lumieres.com/en/lai-chang-zhe-henoqing-bao
- フランス語:https://www.atelier-lumieres.com/fr/node/37
- 英語:https://www.atelier-lumieres.com/en/node/834
異なる点は、主に以下の内容です。
- 日本語ページのみ、チケット購入方法が「オンラインのみ」と記載
- 日本語ページのみ、土日祝日の料金が提示されていない
チケットはオンライン購入がおすすめ
チケットは、事前にオンラインで予約購入するか、「アトリエ・デ・リュミエール」現地で直接購入できます。
でも、オンラインで購入することがおすすめです。
- 混雑している際、並ばずに入場できる
- チケット売り場が混雑している場合がある
- チケット売り場は土日がお休み
- 現地で購入する当日券の価格より2ユーロ割引
オンラインチケット購入ページは、以下の公式ページから購入できます。
Bienvenue sur notre billetterie en ligne(「アトリエ・デ・リュミエール公式サイト」:フランス語)
公式アプリ
アトリエ・デ・リュミエールの公式サイトをみていたら、「Les centres d’art DES LUMIÈRES」という無料の公式アプリを見つけました。
このアプリは、アトリエ・デ・リュミエールで現在開催されている作品を、オリジナルのエピソードを通じて解説しているとのこと。

さっそくスマホにインストールしたので、次回訪れた際には使ってみたいと思います。

アプリ「Les centres d’art DES LUMIÈRES」は、ダウンロードのサイトから各々のスマホにインストールできます。
- iPhone:App Store
- Android:Google Play
このアプリで、作品の世界により一層深く入りこめそうです。
アトリエ・デ・リュミエールへの行き方
メトロ 3号線「Rue Saint Maur」駅から「アトリエ・デ・リュミエール」までの行き方をご紹介します。
「Rue Saint Maur」駅で電車を降りたら、出口(Sortie 2 )へ向かいます。

出口のエスカレーターで地上にあがります。

地上にあがりました。

出口(Sortie 2 )を出てすぐの最初の角を右に曲がります。
角を曲がるとその通りは「Guillaume Bertrand 通り(Rue Guillaume Bertrand)」です。その通りをまっすぐ進みます。

(上の写真中央の女性が道を教えてくれました。ありがたい)
通りをしばらくまっすぐ行き、左側にレストラン(Bistro)とパン屋(Boulanger)さんが見えたら、その角を左に曲がります。
曲がる前にその通りが「Saint Maur 通り(Rue Saint Maur)」であることを確認してくださいね。
※通りのプレートは「Saint」が「St.」に省略されています。



Saint Maur 通りをまっすぐ進みます。
しばらく進むと、左側にアトリエ・デ・リュミエール(Atelier des Lumières)が見えます。


正面の入り口で、購入した際のバーコードをスタッフに見せて入場します。
作品(ゴッホ)を日本でも鑑賞できます【期間あり】
アトリエ・デ・リュミエールの2019年の作品「ファン・ゴッホ」が、今なら日本でも鑑賞することができます。
埼玉県所沢市にある「角川武蔵野ミュージアム」の企画展で期間限定ですが、日本で見られるなんて嬉しいな。
■展覧会『ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー』概要
- 公式サイト:https://kadcul.com/event/77
- 会期:2022年6月18日(土)~11月27日(日)
- 会場:角川武蔵野ミュージアム1階 グランドギャラリー
- 住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
まとめ
パリで初めての光と音のデジタルアートの美術館であるアトリエ・デ・リュミエール。
一度アトリエホールに入ったら、作品世界の中で自由に堪能することができます。
Netflixの人気ドラマ「エミリー、パリへ行く」では、アトリエ・デ・リュミエールがロケ地になったので、さらに人気の美術館になっているかもしれません。
お出かけの際は、待ち時間を避けるために事前にオンラインチケットを購入してくださいね。
あと、公式無料アプリのインストールも忘れずに。
館内には「ラ・ブティック・ドゥ・ラトリエ(La Boutique de l’Atelier)」というブックショップコーナーがあり、美術書やアーティストのモノグラフなどの書籍、ガラス製品、ジュエリーなどさまざまな雑貨が販売されています。
また、美術館の向かいには「ル・コントワー・ドゥ・ラトリエ(Le Comptoir de l’Atelier)」という、関連グッズなどを販売するお店があり、チケットがなくても入ることができます。
コーヒーなどの温かい飲み物もあります。


そして、所沢の角川武蔵野ミュージアムに「ファン・ゴッホ」を見に行かなくては!